小説あらすじ紹介ブログ【簡易性の文学】

様々な文学作品のあらすじを紹介するブログです。

織田作之助『俗臭』

(約1,000字)魚問屋を営む勘吉は放蕩に溺れ、借金を作ってこの世を去ったが、長男の権右衛門には放蕩や賭け事は一切しないと約束させた。父を失った権右衛門は五人の弟妹を集め、各々が自分で生計を立てるように言い渡して解散させた。大正二年六月のことだ…

織田作之助『雨』(『青春の逆説』習作)

(約1,200字)写本師の娘であるお君は、母を早くに亡くしており、父とその弟子とともに三人で暮らしていた。優れた美貌を持つ彼女は十八の時、小学校教師の軽部のもとへ写本を届けに行った際に犯され、彼女の妊娠を憂慮した軽部と結婚することになる。翌年、…

織田作之助『姉妹』

(約800字)喜美子と伊都子の二人姉妹は両親を早くに亡くし、寂しい暮らしをしていた。姉の喜美子は洋裁学校へ教師として務める傍ら、洋裁の賃仕事を夜なべにして、東京の女子専門学校の寄宿舎に入っている伊都子に仕送りをしており、彼女自身はみすぼらしい…

織田作之助『黒い顔』

(約800字)田舎育ちの藤吉は小学校卒業と同時に大阪の飴屋に奉公にやられた。寄席や活動小屋、飲食店などが並ぶ都会の街並みに藤吉は興奮し、主人の大阪流の振る舞いや、同輩の聞き取れない大阪弁に緊張を抱きながら、仕事をこなし、そのうちに彼は活動小屋…

織田作之助『湯の町』

(約600字)雄吉は仕事で訪れた別府にて、錦水園(きんすいえん)という風俗を訪れ、そこでマスミという娼婦をとった。しかし他の娼婦を見て「あの女を呼べばよかった」と冗談を言ったことで、マスミは泣き崩れ、部屋を出て行ってしまう。しばらくして戻ってき…

織田作之助『雪の夜』

(約600字)雪の降る大晦日の夜、別府の流川通りにて坂田が易者をしていると、そこで女数人と歩いていた松本という男と再会する。坂田はかつて赤玉(道頓堀にあるキャバレー)にて瞳という女性に入れ込んでいたが、彼女が松本とも交際しているのを知った。しか…

織田作之助『夫婦善哉』

(約1,000字)大阪の貧乏な家庭で育った蝶子は芸者として働く中、柳吉という妻子持ちの男に惹かれていった。柳吉が芸者遊びを見咎められて、実家から勘当されると、二人は駆け落ちして熱海を旅行したが、その最中に関東大震災が起き、前途多難だと感じながら…

フランツ・カフカ『流刑地にて』

(約400字)とある流刑地にて、一人の観光客に対して士官が熱心に処刑用機械の説明をしていた。その特殊な機械は下、上、真ん中の部分に分かれた構造で、それぞれが≪ベッド≫≪製図機≫≪馬鍬≫と呼ばれており、それらによって囚人の背に罪状を刻み込むというもの…

フランツ・カフカ『変身』

(約800字)ある朝グレゴール・ザムザが目覚めると、彼は虫になっていた。両親の借金を解消するため働いていたグレゴールはその朝も仕事へ向かおうと試みるが、変身した肉体を思うように動かせず、やっとの思いで部屋のドアを開けるも、仕事の上司や家族たち…