小説あらすじ紹介ブログ【簡易性の文学】

様々な文学作品のあらすじを紹介するブログです。

織田作之助『黒い顔』

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 注意事項

・いわゆるネタバレを含みます。

・あらすじは作品の一部を運営者が独断で切り抜き、纏めたものです。

・作中で設定などが明らかになる順序が前後している場合があります。

・あらすじによって作品を理解することや、その面白さを判断することはできません。ぜひ作品自体を手に取ってみてください。

 

以上のことご了承の上お読みください。

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あらすじ(約800字)

 田舎育ちの藤吉は小学校卒業と同時に大阪の飴屋に奉公にやられた。寄席や活動小屋、飲食店などが並ぶ都会の街並みに藤吉は興奮し、主人の大阪流の振る舞いや、同輩の聞き取れない大阪弁に緊張を抱きながら、仕事をこなし、そのうちに彼は活動小屋へ足を運んで映画にはまっていった。

 藤吉は田舎の中村京助という友人に手紙を出して都会の街並みを伝えた。手紙を受け取った京助は都会への憧れと芽生える野心に興奮し、藤吉よりも色白な美男子であり、成績もいい自分なら出世できると踏んで、藤吉に依頼状を出してもらって一緒に働き始める。  藤吉に再会した京助はすっかり垢抜けた彼の姿に驚くが、働き始めるとすぐに大阪になれ、公休日には藤吉とともに活動小屋へ出かけ、終われば天王寺公園で藤吉はハーモニカを吹き、京助は立ち廻りの真似事をして過ごした。

 六年が経過し、二人は二十歳になる。京助は一生飴屋の丁稚では終われない、とその色白で端正な顔立ちを武器に俳優を目指すことに決め、藤吉に「スクリーンの上で会おう」と言い残して京都へ出ていった。一方、黒い顔にコンプレックスを抱く藤吉は映写機の製造屋に奉公することで映画に携わることに決めた。  京助から便りが送られてくることは無く、藤吉は彼がスクリーンに映し出されることを期待して映画を見続けるも、京助の姿は一向に現れずに十年の月日が経過し、藤吉は映写技師になっていた。ある日、宣伝写真に脇役として写る京助の姿を見つけるが、作中では彼のシーンはカットされていた。

 その後も映画技師として働き続ける中、戦況ニュースを流していると、そこに真っ黒に日焼けした京助を見つける。いつの間に出征していたのかと驚く藤吉だが、次の瞬間には爆撃機が飛び、京助の姿は消えた。それから一週間、藤吉はそのシーンで何度も映像を停止し、京助の姿をスクリーンに写し続けた。

おわりに

今回は省略しましたが、

・都会慣れしていない藤吉の父、

・初日の夜に寝小便の心配をする藤吉、

・京助に送った手紙に書かれた大阪の様子や気に入った表現、

・スクリーンに映る京助に藤吉が放った台詞 など、

他にも重要な場面や描写が無数にあります。 また、このあらすじでは作者の巧みな文章表現を楽しむことはできません。 (あらすじはあくまでサイト運営者が個人で書いたものであり、作品の持ち味や面白さを表現することは出来ていません) ぜひ作品自体を読んでみてください。

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