小説あらすじ紹介ブログ【簡易性の文学】

様々な文学作品のあらすじを紹介するブログです。

織田作之助『俗臭』

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 注意事項

・いわゆるネタバレを含みます。

・あらすじは作品の一部を運営者が独断で切り抜き、纏めたものです。

・作中で設定などが明らかになる順序が前後している場合があります。

・あらすじによって作品を理解することや、その面白さを判断することはできません。ぜひ作品自体を手に取ってみてください。

 

以上のことご了承の上お読みください。

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あらすじ(約1,000字)

 魚問屋を営む勘吉は放蕩に溺れ、借金を作ってこの世を去ったが、長男の権右衛門には放蕩や賭け事は一切しないと約束させた。父を失った権右衛門は五人の弟妹を集め、各々が自分で生計を立てるように言い渡して解散させた。大正二年六月のことだった。  権右衛門は大阪に出て、一万円を拵えることを目標に働き始める。魚問屋での経験を生かして沖仲仕の帳簿に雇われ、そこでお金を貯めて冷やし飴の露店商人を始め、仕事を追われて途方に暮れていた弟の伝三郎と再会し、二人で扇子を売る夜店を営むことにした。しかし、半年後、偶然雨宿りをした家で妹のまつ枝が女中をしているのを見つけると、兄が夜店をしているようでは妹の顔が立たないと考えた権右衛門は、夜店から手を引くことにした。

 伝三郎は寿司屋で住み込みで雇われ、権右衛門は商売道具を売った金を彼に持たせた。権右衛門自身は宿で知り合った婆さんと霊灸を始め、温泉街で客をかきいれたが、婆さんが神経痛を患って医者や宿への支払いが迫ると、婆さんを置いて温泉を後にした。  大阪へ帰る途中、とある中年の教えで紙屑屋をはじめると、初めは大した金にはならなかったが、後に電球で儲けを出し始める。排球を数日だけ光るように直して新品として売る「ハッツキ」、分解して中の白銀を集める「白銀付き」、市電に持っていくことで新品と交換してもらえる「市電もの」など、犯罪であるため危険は伴うが、排球専門になることで一年たたずに五百円を拵えた。

 その頃、権右衛門が雇っていた小僧が肺炎を患ったために、政江という派出看護師を雇うと、権右衛門は彼女と関係を持ち始め、結婚することになった。一万を作るまで倹約するという方針には政江も協力的であり、二年で三千万ほど貯金した。  警察に見つかる危険性と白銀の使用量の減少を見越して、権右衛門は排球から手を引き、古電線や古レールなどを集め、それをつぶして金属を売る商売を始めた。量を誤魔化すような技術も使いながら商売をしているうちに、欧州大戦で金属の根が上がり、気付けば二万円を拵えていた。

 その時、面倒を見てこなかった弟妹達のことがふと頭に浮かび、権右衛門は妹には嫁ぎ先を与え、弟たちは自分で雇って商売を教えた。権右衛門は事業を弟に任せて大連へ赴き、支那の古銭を買い漁って内地で売り払うなどしているうちに、気づけば十万がたまった。日本に帰ると弟たちはひとかどの商人に成長しており、彼らには金の使い方も教えてやった。  権右衛門はその後、沈没船を引きあげて金にする事業に成功し、気づけば百万を手に入れていた。父の十二回忌には親戚で集まり、皆で写真を撮ったのだった。

おわりに

今回は省略しましたが、

・別れに苦労した居酒屋の花子、

・結婚の際に警察沙汰になったマツダ電気、

・変な女と結婚した弟の千恵蔵、 など

他にも重要な場面や描写が無数にあります。 また、このあらすじでは作者の巧みな文章表現を楽しむことはできません。 (あらすじはあくまでサイト運営者が個人で書いたものであり、作品の持ち味や面白さを表現することは出来ていません) ぜひ作品自体を読んでみてください。

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