小説あらすじ紹介ブログ【簡易性の文学】

様々な文学作品のあらすじを紹介するブログです。

織田作之助『姉妹』

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 注意事項

・いわゆるネタバレを含みます。

・あらすじは作品の一部を運営者が独断で切り抜き、纏めたものです。

・作中で設定などが明らかになる順序が前後している場合があります。

・あらすじによって作品を理解することや、その面白さを判断することはできません。ぜひ作品自体を手に取ってみてください。

 

以上のことご了承の上お読みください。

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あらすじ(約800字)

 喜美子と伊都子の二人姉妹は両親を早くに亡くし、寂しい暮らしをしていた。姉の喜美子は洋裁学校へ教師として務める傍ら、洋裁の賃仕事を夜なべにして、東京の女子専門学校の寄宿舎に入っている伊都子に仕送りをしており、彼女自身はみすぼらしい服装に甘んじ、京都の学生街にある安アパートで貧しい自炊暮らしだった。

 伊都子が卒業し、京都のアパートへ戻ってくると、喜美子は痛々しいくらいにやつれていた。伊都子が泣きながら姉の手を握ると、高熱があることに気付き、医者から過労によって肋膜を犯されていると診断される。安静にしていれば回復すると思われたが、一向に熱は下がらずにひと月が経ち、一緒に祇園祭に行こうと約束した二人だったが、喜美子は宵宮の日に他界する。  伊都子は自分のために青春を犠牲にした姉を想うと結婚する気も起きず、自分も青春に背いた一生を送らねばならないと考えて、国のために異郷で果てようと、南方派遣日本語教授要員に志願した。

 合格通知が届いた朝、同時に姉宛の手紙が郵送されているのに気づく。手紙は佐藤文吾という学生からで、学徒の航空隊として出兵すること、戦死した場合は二年前に貸した本を形見にして、自分の下宿で一緒にレコードを聞いたことを思い出して欲しい、との旨が綴られていた。  伊都子は、それがレコードを一緒に聞くだけの淡い付き合いだとしても、姉に小さな青春があったことに胸が温まる。彼に宛てて姉の他界を知らせる手紙を書こうと筆を執るが、学徒として飛び立つ間際に悲しい知らせを送るのは忍びないと考え直し、姉の名義で激励の手紙を追った。

 一週間後、伊都子が東京を訪れると、東京駅で佐藤文吾が級友たちに送り出されている場面に出くわした。彼女は走り寄って姉のことを伝えたいと思ったが、やはり門出に水を差すことは出来ず、伊都子は彼の姿が見えなくなるまで改札口に佇み、「姉さん、伊都子は姉さんに代わって、見送ってあげたわよ」とつぶやいて、その場を後にした。

おわりに

今回は省略しましたが、

・口答試問での伊都子の様子、

・合格に不安を抱く伊都子、

・佐藤文吾と喜美子との関係、 など

他にも重要な場面や描写が無数にあります。 また、このあらすじでは作者の巧みな文章表現を楽しむことはできません。 (あらすじはあくまでサイト運営者が個人で書いたものであり、作品の持ち味や面白さを表現することは出来ていません) ぜひ作品自体を読んでみてください。

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